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私の知ってる児玉by松本淳子

「不器用な人」第一印象である。 道具の配置を自分の背丈に合わせるのではなく、自分を道具の配置に合わせにいくのだ。片手でひょいと移動できるであろう道具を体を小さく折りたたんで使用している姿は今でも鮮明に覚えている。これが彼との出会いである。場所は職場の研究室。次に仕事で一緒になったのは生産現場。ここでは、先輩社員に可愛がられている彼がいた。生産現場の仕事はかなり辛い。しかし彼は黙々と働いていた。愚痴を聞くことは一度もなかった。

彼の舞台を観に行ったのは2回。いずれも私生活が赤裸々に表現されていた。台詞の一語一語に彼がいる。そんな舞台だった。職場の不器用な彼からは想像も出来なかった。彼の言葉の選び方、センス、私は好きだ。シンプルな小道具、時には体の一部を使ったりと表現方法も彼の言葉を際立たせる役割を担っているのかもしれない。

厳しい労働条件の中、いつ脚本を書き、稽古をしているのだろうか。彼はいつも眠そうにしている。きっとヘトヘトに疲れた身体でも演劇にか関わっている時間はベツ腹ならぬベツ時間なのだろう。

彼は愚直な人である。 私はこれからも彼を応援したいと思う。

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松本淳子

職場同僚。現在小学5年生の母。演劇については無知である。観劇も滅多にしない。「生きる」とは何ぞや、子どもに聞かれたときにこたえられる大人になりたい、そう思いながら毎日を過ごしている。



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